LISTENING JOURNAL

ハイコストパフォーマンススピーカー2011

· スピーカー · audioman

過去のブログから移した記事です。製品・価格・販売状況などの記述は元記事掲載当時のものです。

 前回のお奨めスピーカー紹介から、かなりの月日が経過したので、改めて2011年版をUP。

お勧めスピーカー紹介。
<ペア2万円~3万円>

DALI ZENSOR1

低域の量感が圧倒的に足らず、音素に重みが無いけれど、安いスピーカーにありがちな上っ面だけで、中身スカスカ感を綺麗な高域を生かして、全体として小気味良くまとめることによって、上手に隠している。上品な線の細さに同社IKONの面影がある。欠点も目に付くが、価格を考えれば、十分過ぎるコストパフォーマンスを持つスピーカー。

<ペア3万円~4万円>
TANNOY Mercury V1

音色は薄い艶を帯びていて、明るく軽快で開放的。
音の軽さを良い意味での軽快さに生かしていて、聴いていて楽しい。
また、音素が僅かに丸みを帯びている為、安心感のある音色付け。
ハイコストパフォーマンスがTANNOY Mercuryシリーズの真骨頂なのは、V1になっても変わらない。

<ペア5万円~6万円>B&W 685

上位機種の容赦の無い音色に比べるとラフで雑味も感じられるが、軽快で朗々と鳴り、聴きやすい。
また、低域の量感もあり、解像度も同価格帯の中では高い。
際立った良さを手加減して、隠してしまったのではないかと疑うくらい、あるラインで線が引かれているが、極めて素性が良い。
全体としてのバランスが良く、無理を感じない、クラスの割りに余裕を感じる卒のないスピーカー。

<ペア15万円以下>
B&W CM5

ソースの粗や機材のグレードを忠実に反映する高解像度モニター系。
筺体が大きい為、低域の量感があり、キレもある。音色はクールでかつクリア。
また、中域が見事で、ボーカル帯の実在感は群を抜く。
そして、煌き感のある高域は適度な艶で嫌味が無い。ただし、音素のエッジが立っているので、身構えてしまうきらいがある。極めて高性能な万能スピーカー。

<ペア20万円以下>
B&W CM9

CM5と同じく高解像モニター系だが、容赦の無いCM5と比較すると、幾分柔らか味というか、優しさがある。基本的な
音色の傾向は変わらないが、トールボーイの為、全域を通じてバランスが良くなっており、余裕から生まれる差異かも知れない。
一聴して、この価格でこのクオリティを持つスピーカはそうは無いだろうと思い知らされる実力派のスピーカー。

<ペア30万円以下>
FOCAL 826V

圧倒的な低域の量感を持ち、彫りは深いが、エッジに若干の丸みがあり、音楽の抑揚感の再現性に優れている。
音色は、一聴すると暗めに感じるが、僅かに温かみを持っていて、月明かりの様な優しさがある。
モニター系の精緻さには及ばないが、独特の情緒的な余韻が琴線に触れるスピーカー。

<ペア35万円以下>
ELAC 247SE

音離れが良く、極めてクリアな為、スピーカーから飛んでくる音素が見える様な錯覚を抱く。濃い目のアンプと組み合わせても、音素が固まらず、綺麗に分散される点が魅力的。
低域の量感もあり、全域の繋がりが良く、かつバランスに優れる。
価格が2倍でも、247SEよりクオリティの低いスピーカーは幾らもある位に高品質。
極めて、コストパフォーマンスに優れるお奨めスピーカー。

上記を改めて振り返って見ると、B&Wの独壇場のような感がある。前回のハイCPスピーカーであったKEF Qシリーズは新モデルとなって価格が上昇しているし、QUAD Lシリーズの新モデルも筺体の仕上げが簡略化されて、音色以外の良さが幾分減退している。MONITOR AUDIOは進化の度合いが鈍っているし、klipschに至っては、YAMAHAが取り扱いを中止して、もはや店頭で見掛けなくなった。FOSTEX G1300も価格的に良い位置取りの優れたスピーカーだったのに、残念ながら生産を終了した。一貫して、B&Wだけがブレずに戦略的な製品を投入している様に思う。個人的には、DALIのIKONmk2シリーズやELACのBS243、FOCALが好みだけれど、今ではもう、ハイCPスピーカーとしては挙げられないかな。B&Wの高域が持つエッジの鋭さの好き嫌いを別にすると、現在のB&Wのスピーカーは総合力で群を抜いて優れている。

今後、B&W CM1のアップグレードモデルや後継モデルが発売される前に、VictorやFOCAL、FOSTEX等のクオリティの高いスピーカーを作る技量のあるメーカーが、実売7万円後半辺りで戦略モデルを投入してくれて、良い意味での競合が生まれ、CPの良いスピーカーの選択肢が増える事を願うばかりだ。