LISTENING JOURNAL
AUDIO SPACE AS-3i、YAQIN MX-111B比較レビュー
過去のブログから移した記事です。製品・価格・販売状況などの記述は元記事掲載当時のものです。
同じ出力管を使用したAUDIO SPACE AS-3iとYAQIN MX-111Bの音色の差異を検証してみた。
なお、どちらも出力管にEL34を使用しているが、前段球が異なる。
オーディオスペース AS-3i
TriodeとUltralinearの切り替えが可能で、Triodeの方がより真空管アンプらしい瑞々しい伸びやかな特性が出るが、出力が若干劣り、ややレンジが狭く感じられる。
逆にUltralinearはトランジスタアンプに近い印象。
また、NFB(負帰還)もMAXとMINへの切り替えが可能で、MAXにするとダンピングが効き低域が強調され、ラウドネスをONした様な特徴が出る。
Ultralinearで負帰還をMINIに設定した時が最もYAQIN MX-111Bの音色に近くなる。
そして、スピーカー端子に4Ωと8Ωの2種類を備える。
6Ωのスピーカーでは、4Ωの端子に繋いだ方が、S/Nが良くしっとりとして伸びやかでかつ腰が据わり好印象。
球の交換だけで無く、音色を変化させて楽しめる機能が豊富なのが特徴的。
・音色の違い
AUDIO SPACE AS-3iの方がレンジが狭い分、色彩が濃く、線がしっかりしている為、音像の定位が良い。
また音素の押し出し感に勝り、エッジの立ちが強め。
低域の沈み込みと低域の解像度は、AUDIO SPACE AS-3iの方が多分に良好。
逆にYAQIN MX-111Bは、ワイドレンジだが、色が薄く、クールビューティーな感じ。
YAQIN MX-111Bは人によってはつまらないと感じるかも知れない素っ気なさがある。
個人的には、YAQINの音色付けが好み。
製品としての質感は、AUDIO SPACE AS-3iの方が格段に良好で、特に内部の品質や細やかな調整が効くボリューム等がYAQINに比して大いに優れており、安心感が高い。
同じ出力管EL34を使用しているのものの、この2台は好対照な位に音色に違いがある。
・内部画像
YAQIN MX-111B
まず、はんだ付けの精度が低い。
その上に一部のはんだは酸化して黒ずんでいる。
基板に細かい気泡が数多く見られ、かつ傷だらけ。
複数のコンデンサに生乾きの接着剤の付着が見られるが、その意図が解らない。
極めてジャンキーな造りで、すぐ故障するのでは無いかと負のイメージが沸く。
海外のレビューでも散見されるが、YAQINのアンプは低価格で音質に優れているものの品質に問題がある様なので、その点は留意しておいた方が良いだろう。
逆に回路図が見れたり、アンプ制作の心得がある方には面白い機体だと思う。
なお、取扱説明書によると、回路はムラード型位相反転回路(差動型位相反転回路)を採用し、電解コンデンサは全て外国製を使用していて、ボリュームはアルプス製だと記載されている。
実際に内部を確認するとニチコン、フィリップス、エルナー等のコンデンサを見付ける事が出来る。
また、出力トランスは、シリコンスティールを特殊な巻き上げ工程を経て生産されたものを使用しているとのことだが、MC-13SやMS-20Lの説明書きにある様な日本製との文言は無い。
YAQIN MX-111Bは輸出用モデルの為、雅琴音响有限公司のホームページにも型番の掲載が無く、情報を得難いのが難点。
AUDIO SPACE AS-3i
YAQINの後に内部を見ると、配線の美しさとはんだ付けの精度の高さに惚れ惚れする。
当然ではあるけれど、危なっかしい部分は見受けられない。
より高品位の部品を使用しており、製品としての安心感に優れる。
因みにAUDIO SPACEは、Top International Electronicの自社ブランドで、他にHoustonというブランドも所持している模様。
販売エリアで異なるブランドを使い分けて、同一の製品が販売されている。
なお、日本への輸入はカインラボラトリージャパンが行っている。
また、かつては、販社であるCayinネームでAUDIO SPACEの製品が販売されていた事もある。
同じく過去には、SPARKの製品もAUDIO SPACE同様にCayinネームで販売されたりしていたが、現在SPARKのホームページにアクセスするとCayinのブランドロゴが表示されるので、奇妙だと思って調べるとSPARKもTop International Electronicの傘下に入ったようである。
現在は、AUDIO SPACEもCayinも日本での販売を重視していない様で、新製品のラインナップが更新されていないのが残念だ。
ただし、その反面、OEM先とされるトライオードが新製品を続々と投入しており、日本での販売はトライオードに一任している様な感じである。